弥山(宮島)−廿日市市宮島町−
弥山(宮島) 安芸の宮島は、厳島神社が鎮座する島である。島の高峰弥山みせんは、標高529.8メートル。それほど高い山ではない。しかし、島の幅は4キロメートルと狭く、海面からはえでた山は驚くほど高く見え、実際に急峻である。
 宮島口から頻繁にフェリーの発着があり、宮島まで10分。
 厳島神社を参詣し、弥山山上から安芸の山海の景を楽しむ。山頂近くまでロープウェーが通じているが、登山道を歩く外国人が目立つのは、運動不足を補う旅行者の知恵であるのだろうか。
 弥山への登山道は、ロープウエー上り口の駅近くの紅葉谷コースや大聖院コースなど4箇所ある。花崗岩の表土が風化し、崩れやすいところもあり、登山道の情報に留意する必要もあろう。
 頂上は大石が重なった岩山。山頂に岩を戴く山は多いが、これほどの大岩は珍しい。頂上に求聞寺堂、三鬼堂、毘沙門堂、大日堂などがあり弥山は香煙が漂うところ。展望台付近に茶店があり、鹿の姿がある。宮島らしくて良い。
 宮島は、シキミ、アセビの木が密生する島。満開の花が島を埋め尽くす春の野は、サクラとともに宮島をゆく楽しみの一つだ。頂上付近はツガ林が多く、北方山麓にはモミの木が繁茂する。クリ、クヌギ、アベマキなどの落葉樹が見当たらず特異な温帯林を成している。厳島神社の景観とともに、弥山の自然も無双である。−平成18年5月−

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