皆江峡谷 |
皆江集落の東方に「権現山」が聳えている。山麓に一筋の深い峡谷があり、「大川」となって皆江の入江に注いでいる。
権現山に降る雨は、皆江から明浜町の田の浜、高山の集落を潤す恵みの水だった。日照りが続くとこれらの集落から権現山に登り雨乞いが行われることもあったという。
皆江集落から大川沿いに峡谷に入り、権現山の山頂に向かうと、バベ(ウバメガシ)に覆われたひっそりとした山道が続き、時折、シジュウカラやヤマガラが眼前をよぎる。対岸で紅葉したケヤキが樹林に彩りを添えている。 樹林は、概ね上層にバベ、林床にヒトツバやシロダモなどが茂るバベの純林。中腹でカゴノキの鹿の子まだらの樹皮がほの暗い樹林に映えている。
峡谷の支流に架かる松尾橋の脇に、高さ5メートルほどの小さな滝がある。岩盤を滑り落ちる滝の流路を見るがよい。深く岩盤に刻まれた滝の流路は万古の証。海浜もいいが、山岳にもまた南予の純な自然がある。 |
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