土佐電鉄
  南国土佐に路面電車(土佐電鉄)がよく似合う。東西に、南北に、電車線が交差する「はりまや橋」の交差点は、電車の展示場。さっそうと澄まし顔の2000形(写真下)はバリアフリーの新型車。日焼けした顔の200形(写真左)は旧来車。若い者には負けんきにと、半世紀にわたって市民を育み続けている。はりまや橋に土佐のいい風景が移ろっていく。
  路面電車は高知市民の基幹的な交通手段。路面電車がこれほど街に溶け込んだ都市はそう多くはない。架線や軌道を取っ払って街から電車の姿が消えると、どこにでもある平凡な都市にみえるだろう。

  現在、全国19都市で路面電車が運行されている。半世紀の間に48都市から路面電車が消えた。営業距離は4分の1ほどになってしまった。がんばれ路面電車、なんだかそんなエールを送りたい気持ちになる。
  高知市街を走る車両はすべてワンマン車両。土佐電鉄はこのほか、ツーマン車両をドイツ、ポルトガル、ノルウエーなど欧州や西日本電鉄からの移入車を保有している。先進の気鋭に富みハイカラ好きの土佐人気質が多彩な欧州車に反映されているように思う。ツーマン車両は、いまやオールジャパンの祭りになった「よさこい祭り」や「納涼」などのイベント車両として運用されている。

最新車輛2000形
   参考 :長崎市電 熊本市電 琴平電鉄 土佐電鉄  広島電鉄 岡山電気軌道
        伊予鉄道